子どもの妊娠や出産をきっかけに、今の生活や仕事を見つめ直す。これは、誰にでも一度はあることだと思います。
大切にしたいものが増える。守りたいものが増える。
だからこそ、「今のままでいいのか」「このまま働き続けて後悔しないか」そんなことを真剣に考えるようになります。そして、産後の妻や子どものために育休を取得する。
私はとても素敵なことだと思っています。
そんな育休の最中、「転職活動をしてみようかな」そう考える人も、きっと少なくありません。かくいう私も、その一人でした。
私は育休に入る前にも転職活動をしていました。しかし試験に落ち、一度は諦めていました。ところが育休中、偶然見つけた職員募集をきっかけに、再び転職活動を始めることになります。
ただ、再開するまでにはたくさん悩みました。
- 「落ちた時に”また頑張ります”って職場に言ったのに…」
- 「育児のための休み中に転職活動していいのか?」
- 「育児と試験勉強を両立できるのか?」
- 「職場にはいつ伝えるべきか?」
不安だらけでした。
もし今、私と同じように悩んでいる人がいるなら、先に伝えたいことがあります。
「育休中に転職活動をしても大丈夫です。そして、育児と転職活動の両立もできます。」
この記事では、育休中に転職活動をした私自身の経験を、できるだけリアルに書いていこうと思います。悩んだこと。しんどかったこと。実際に大変だったこと。そして、やって良かったと思えたこと。
あなたがこれからの働き方や家族との時間を考える時、その参考になれば嬉しいです。
筆記は受かったのに、面接で落ちた
長男の妊娠がわかった5月、転職活動を始めました。目標は妻の地元にある市役所への合格。家族みんなで一緒に暮らすこと。妻としっかり相談して決めたゴールでした。
毎日隙間時間を見つけては勉強を続け、9月の筆記試験に合格。しかし、その後の面接試験で不合格になりました。「市役所から市役所への転職だから大丈夫」という慢心が原因でした。
私が転職に失敗した時のお話は下の記事からご覧いただけます。

目の前が真っ暗になる感覚。周りには普通に仕事をしている人たちがいるのに、自分だけ取り残されたような感覚でした。
仕事にも気持ちが入らず、「どうして」「これからどうしよう」と考える毎日でした。気持ちの切り替えができないままでしたが、人事課には「これからもお世話になります」と話をしました。
長男の誕生が、気持ちを変えた
そんな日々を過ごしていた中、長男が生まれました。新型コロナの影響で立ち会いはできませんでしたが、丸一日以上かかりながら無事に産んでくれた妻には、本当に感謝しかありません。
退院して初めて会った長男は、小さいながらも一生懸命泣いて、小さな手で私の指を握ってくれました。
「一生この子を大切にするんだ」「単身赴任ではなく、この子のそばにいたい」
そう強く思いました。
初めての育児は、大変で、でも可愛かった
3月末までの育休を取りました。初めての育児は、毎日が忙しく、不安で、そして新しい発見を喜ぶ日々でした。
長男は体が小さく、平均成長ラインをギリギリ下回らないくらいの子でした。
おっぱいをあまり飲まず粉ミルクで量を確保しながら、2〜3時間おきにオムツを替えてミルクを作り、寝かしつける。抱っこしないと寝てくれず、夜中は抱っこしながら四苦八苦していました。
それでも、笑ったような顔を見せてくれる時、上手にゲップができた時、手足を伸ばして動こうとしている時。どうしようもなく可愛くて、この子がいてくれてよかったと思えました。
ちなみに、子どもが泣き止まない時は反町隆史の「POISON」を流してみてください。8割くらいは成功しました。おすすめです(笑)。
UIターン枠という、千載一遇のチャンス
そんな生活に少しずつ慣れてきた1月、突然チャンスがやってきました。
私が不合格になった市役所が、UIターン者限定の試験を行うというのです。
千載一遇のチャンス。なんとしても合格するしかない、と思いました。
ただ、今の自分は育休中。子どもの育児・妻のサポートのために休んでいるのに、転職活動をしてもいいのだろうか。私の出した結論はこうです。
「妻のサポートをして、子どもを寝かしつけた後の自分の時間を使うのだから問題なし」
ただ、後ろめたい気持ちがなかったわけではありません。「お世話になります」と言った手前、育休中でもあることから、職場への報告は合格できてからにしようと先延ばしにしました。
その結果、後から人事担当者に叱られることになるのですが……。
育児と試験準備の両立
試験の準備を進めるのも大変でした。
ミルクをあげて子どもが寝ている間に想定問答を作る。夜中も起きてミルクをあげてから30分・1時間と抱っこして寝かしつける。朝になっても寝た気がしないぼーっとした頭で、一人で面接の練習をする。声を出さず頭の中だけで練習することも多かった。暇さえあれば、質問に対して何と答えるかを考えてメモしていました。
妻や妻の両親にも手伝ってもらい、模擬面接もしました。志望動機や長所を話す時は恥ずかしかったですね(笑)。
合格、そして妻の涙
そんな準備の甲斐あってか、WEB面接・対面面接ともに合格。晴れて転職活動に成功しました。
対面面接の日は妻が手作りのお守りを持たせてくれました。中に入っていた手紙を読んで、やるしかない、とさらに気合が入ったおかげかもしれません。
正直、最後まで不安でした。「また落ちたらどうしよう」「期待させてしまったらどうしよう」そんな気持ちは、面接が終わるまで消えませんでした。
合格の報告をした時、妻は泣いて喜んでくれました。子育ての辛さを抱えながらも、一緒に準備をしてくれていた妻。二人の念願が叶ったことを一緒に喜んでくれました。
育休中の転職活動は職場にバレる?——人事課への報告
念願の合格。しかし、これで終わりではありませんでした。転職に向けた山はまだまだ残っていました。最初の山は、人事課への退職・転職の報告です。育休中に転職活動していたこと、育休からそのまま退職しようとしていること。後回しにしてきたことに、いよいよ向き合わないといけない時が来ました。
「転職できるわけないでしょ」
「育休中に転職活動なんて何考えてるの」
どんなことを言われるか、ビクビクしていました。
「裏切った」と思われるのが怖かった。
「逃げた」と思われるのが嫌だった。
それでも、意を決して電話しました。
結論から言うと、叱られたのは「報告が遅かったこと」だけでした。
退職の手続きを進めること。
市役所から市役所への転職という通常とは異なる手続きが発生するため確認が必要なこと。
退職に伴う人員補充や職場の業務体制の調整があること。
これらのために、試験を受けると決めた段階で連絡してほしかったと言われました。
一方、「育休中に転職活動をしていたこと」については特に怒られませんでした。人事の担当者によっては「おめでとう」と声をかけてもらえたほどです。
こんなことなら早く話しておけばよかった。そうすれば、あんなに叱られることもなかったでしょう。
この記事を読んでいるあなたへ。
後ろめたさや不安があるかもしれませんが、私の二の舞にならないためにも、早めに話をしてみてください。
あなたが思っているよりも、あっさりと話が終わるかもしれません。
育休の早期復帰と引き継ぎ
人事課への報告の際、退職前の引き継ぎのために育休を早めに切り上げることになりました。元々3月末までの予定でしたが、2週間ほど早めて復帰することにしました。
職場に復帰した1日目は、自分が持っていた仕事の確認と、お世話になった地域の方への退職の挨拶回り。
翌日からはいよいよ本格的に引き継ぎ作業——のはずでした。
復帰2日目、2つ目の山
休日を挟んで仕事へ向かおうとしたその朝、熱を測ると40度。
休日の間から喉が変だとは思っていましたが、まさかここまでとは。急いで病院へ行くとすぐに隔離されました。インフルエンザと新型コロナ、両方の検査をすることに。
結果は新型コロナ陽性。隔離施設は満員のため自宅療養となり、最低でも一週間と言われました。
「なんでこのタイミングで」「最後まで職場に迷惑をかけてしまう」
退職直前にまさかのコロナ感染でした。
職場への連絡は本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。療養が明けてからは、完全に治りきらないながらも職場へ向かい、本来一週間かけて行うはずだった引き継ぎを2日で終わらせました。
本当に辛かったです。あなたは最後の最後まで油断せず、体も大切にしてください。
余談:退職の挨拶で…
退職の挨拶回りの中で、仲の良かった後輩は泣いて見送ってくれました。同期からは出産と転職のお祝いをもらいました。
そして、新型コロナに関係する部署の方に大爆笑されました。
「復帰直後にコロナからの退職」——なかなかこんな話は聞けないですよね(笑)。
この他にも、引っ越し先がなかなか見つからなかったこと、家族で自分たちの車に荷物を詰め込んで引っ越したこと、新しい職場や地域になかなか馴染めなかったことなど、山はまだまだ続きました。
転職と移住を同時に経験したリアルについては、こちらの記事で詳しく書いています。

育休中に転職活動して、よかった
この記事では、育休中の転職活動への後ろめたさ・育児と試験勉強の両立・合格後の職場への報告と注意点をお伝えしました。
今、私は転職して良かったと心から思えています。
妻と子ども、大好きな家族と過ごせる毎日。
やってみたいと思って始めた資格の勉強。
当たり前のことだけど、少し前の私には当たり前じゃなかったこと。
転職していなければ、これらはなかったかもしれません。
今、こんな悩みを抱えてこの記事を読んでいる方へ。
「転職を考えている」
「育休中に転職したらバレたらどうしよう」
「育休中の転職活動は職場に怒られるんじゃないか」
——安心してください。私の実体験からお伝えします。
育休中に転職活動をしていたことは、合格後に自分から報告するまで職場には伝わりませんでした。
転職活動自体は法律上も問題なく、育休の趣旨に反するものでもありません。みなさんが思っているよりも、案外すんなりと進むかもしれません。
そして今では考えられないくらい、素敵な日常が待っているかもしれません。
完璧な転職活動でなくても、一生懸命乗り越えていけばきっと成功します。あなたが真剣に悩み考え抜いた選択を、私も応援しています。
ただし一点だけ。転職・退職を決めたら、人事部署への報告は早めに。これだけは強くお伝えしたいです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。この記事が少しでも参考になって、あなたが感じている不安や恐怖が少しでも減り、目指す将来への第一歩を踏み出すきっかけになれたら嬉しいです。あなたの転職を、応援しています。

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