市役所から市役所へ転職してUIターン移住した体験談

キャリア・体験談

「転職したい。でも引っ越しまで同時にやるのは怖い」「子どもが生まれて、今の働き方を続けていいのか悩んでいる」「UIターンしたい気持ちはある。でも生活が変わる不安が大きい」

そんな悩みを抱えているあなたへ。

しっかりとした準備と「やってやる」という覚悟さえあれば、移住と転職は同時にできます。

私は市役所から市役所へ転職すると同時に、家族でUIターン移住をしました。正直に言うと、かなり大変でした。仕事も変わる。住む場所も変わる。人間関係も変わる。それでも今振り返ると、「あの時動いてよかった」と思っています。

この記事を読めば、転職と移住を同時に決断した理由・実際に大変だったこと・移住後に感じた変化がわかります。同じ失敗をしないための準備と覚悟の参考にしてください。


転職と移住を決めた理由

私が転職と移住を決めた理由は、大きく2つあります。

一つ目は、妻と子どもへのサポート環境のためです。 この年の12月に第1子の出産を控えており、妻の実家の近くに住むことで育児や生活のサポートを気兼ねなく頼める環境をつくりたいと考えるようになりました。私の実家も比較的近くにありましたが、妻にとって一番頼りやすい場所は妻の地元だと考えました。

二つ目は、家庭の時間を取り戻すことです。 当時の私は仕事や役員活動のために家族との時間がだんだんと減っていました。転職を機に労働組合や互助会の役員を離れられれば、家庭での時間を増やせる。今の市役所に残れば、これまで以上に責任ある立場になり、家庭の時間はさらに減ることが目に見えていました。

また、妻との結婚の際に

  • 婿養子に入ること
  • いずれは妻の地元に帰り、実家を守ること

を約束していたことも、背中を押した理由の一つでした。


もちろん、不安がなかったわけではありません。

10年間で築いてきた人間関係がリセットされること。新しい職場や地域での人間関係が一から始まること。子どもが生まれることに加えて、仕事・住居・通勤・家事育児と、あらゆる環境が同時に変わること。考えれば考えるほど不安は膨らみました。

周囲からも「10年も働いてきたのにもったいない」「このタイミングで転職する必要はなくない?」「市役所から市役所の転職はうまくいかないって聞くよ」「公務員転職なんて辞めた方がいいんじゃない」といった言葉をかけられました。正直、心が揺れたこともあります。

それでも、「家族と子どものために私はやるんだ」と自分を奮い立たせて転職活動に励みました。不安よりも「このままでは後悔する」という気持ちの方が大きかったからです。


妻との話し合い

試験勉強を始めるにあたって、妻とたくさん話をしました。

私の現状、転職の理由、子どもが生まれた後の家族との時間を大切にしたいこと、妻のサポートをしたいこと。そして、結婚にあたって妻が地元を離れ、大変な思いをしながら頑張ってくれたことへの感謝。

妻も本音を話してくれました。慣れ親しんだ地元を離れて、親や友人と離れて暮らす寂しさ。慣れない職場で、人間関係に気を遣い続けていたこと。これまで妻は「大丈夫」と笑いながら、無理をしていたんだと。私はその時、ようやく気が付きました。

話し合いの結果、妊娠中でも変わらずご飯の支度・週末の掃除・妻の実家への帰省・出産に向けた通院の付き添いを続けることを決めました。勉強は隙間時間と家事が終わった後の余暇時間を使うことにしました。


長男の誕生と気持ちの切り替え

面接試験で不合格になった後、どうしようもなく落ち込んでいました。「やっぱり転職はうまくいかないのかもしれない」そんなことばかり考えていました。

でも、長男が生まれて気持ちが変わりました。

小さな手をみて、小さな泣き声を聞いて、隣で笑っている妻の顔を見て、「この子とずっと一緒にいたい。仕事のために、家族との時間を諦めたくない。今できることを考えて、やれることをやるんだ。」そう思えるようになりました。

育休中に再度実施された市役所の採用試験を受け、無事に合格。育休中の転職活動の詳しい体験はこちらの記事、試験勉強の詳しい内容はこちらの記事でも書いていますので、ぜひそちらもご覧ください。


アパートが決まらない

2月に合格が決まり、そこから引っ越しの準備が始まりました。まずはアパート探しです。これが、全くうまくいきませんでした。

原因はいくつかあります。妻とお互いの条件のすり合わせが十分でなかったこと。転居の多い時期から探し始めたため、遠方から内見の日程が合わせられず、気になる物件を見られなかったこと。いい物件はすぐに埋まってしまったこと。

そうこうしているうちにあっという間に時間が過ぎ、間に合わないとなって、妻の実家にしばらく間借りすることになりました。

もし転職と移住を同時に考えているなら、住まい探しだけは本当に早めに動いた方がいいと思います。特に子育て世帯は条件が増える分、想像以上に難航します。


引っ越し業者を使わず、自分たちで運んだ

引っ越し業者には頼まず、両親にも車を出してもらって自分たちで引っ越しをしました。家具をぎゅうぎゅうに詰め込んだ車で、「警察官に止められたらどうしよう」と思いながら運んでいました(笑)。

大型家電はこの機に買い替えることにしました。古い家電を回収してもらい、新しい家電はアパートが決まるまでお店に置いておいてもらうという形でお願いしました。


人事課に叱られた話

移住と並行して、職場に退職の連絡をしました。2月中旬の合格発表から3月末の退職まで約1ヶ月前の連絡です。

人事担当からは叱られました。「試験を受けた段階で報告してほしかった」「せめて2次試験の段階で」と。

言い訳をすると、育休中に転職活動をしているという後ろめたさがあり、「合格してから伝えよう」と考えていました。でも人事担当からすれば「なんでもいいから早く報告してほしかった」ということでした。異動の調整、退職の手続き、職場の事務調整など、早めに動く必要があったからです。育休中の転職活動について問い詰められることはなく、手続きのための早期相談を求められただけでした。

後日、同じように市役所への転職を考えている後輩には「人事課にだけは早く教えてあげて」とアドバイスしました。


地元を離れるのは思った以上に寂しかった

3月になり、荷物をまとめながら少しずつ妻の地元へ運んでいきました。荷物を詰め運び出すたびに、住んでいたアパートがだんだん広くなっていきました。少し、寂しくなりました。

家具のなくなった部屋を見て「ここを離れるんだな」と実感しました。

警察官として働いた時も地元を離れましたが、あの時は「いつか地元に帰る」という気持ちがありました。でも今回は違う。妻の地元でずっと過ごす。そう思うとまた寂しくなりました。

10年間でできた市役所の交友関係。仲のいい同級生、慕ってくれる後輩、よく面倒を見てくれた先輩。みんなと離れることになる。新しい職場で新しい関係を一から作る。寂しさと不安がありました。

自分で決めたこと。家族のために決めた最善の選択。そう思いつつも、やっぱり寂しかった。これまでお世話になってきた場所だから。


育休復帰直後にコロナ感染

年度末の2週間前に育休が明け、職場に復帰しました。退職が決まっているため、改めて年間を通した引き継ぎ資料の作成に取り掛かりました。

しかし、ここで思わぬトラブルが発生しました。復帰2日目に新型コロナウイルスに感染し、1週間の自宅療養となってしまったのです。

職場も私も大慌て。療養が明けてからは残業もしながらなんとか引き継ぎを終わらせ、退職となりました。

この1年を振り返ると本当に怒涛の1年でした。

子どもの妊娠を機に転職を決意し、仕事・役員活動と並行しながらの試験勉強。現役市役所職員なのに市役所の面接試験に不合格になった。それでも、生まれたばかりの長男の笑顔に背中を押され、育休中に転職活動をして合格した。

合格後も決してスムーズには行きませんでした。移住先が見つからず、妻の実家のお世話になることになった。自分たちでなんとか引っ越しをした。人事課には叱られることもあった。育休復帰直後に新型コロナにも感染した。

それでも、家族に支えられながら、なんとか乗り越えて新天地での生活を始めることができました。


新しい生活は想像以上に大変だった

新しい生活にしばらくは戸惑うことばかりでした。これまで経験したことのない部署での勤務。仕事の進め方や考え方の違い。地域文化の違いからか、周囲の人と上手く馴染めないと感じることもありました。

アパートが見つかってからは再度の引っ越し。子どもも加わり、生活は以前とは全く違うものになりました。子育てにも正解はない。「これでいいのかな」と常に不安を抱えながらの毎日。生活リズムの変化も重なって、本当に大変でした。


先輩と妻に救われた

そんな中、仕事では、本当にいい先輩に恵まれました。何度も相談に乗ってもらい、時には私の仕事を一緒に抱えてもらいながら、なんとか前に進み続けることができました。

ボーナスが入るたびに先輩と日付が変わるまで飲みに行って話をしていました。翌日、妻に怒られるまでがセットでついてきますが…(笑)

でもそんなことができるのも、妻の実家の近くで暮らすことができ、妻が安心してサポートを受けられる環境になったおかげです。育児で不安な時や辛い時にすぐ実家に頼れる環境をつくれたことは、本当に良かったと思います。

段々と新しい生活にも慣れ、妻と子どもと一緒に過ごす時間が「私にとっての幸せな時間」だと感じられるようになりました。大変な選択をしました。不安もたくさんありました。それでも「あの時、動いて良かった」と思います。この幸せを感じられる今があることを、本当に良かったと思っています。


今、大変な選択をしようとしているあなたへ

ここまで読んでくださったあなたも、転職と移住を同時に考えていたり、UIターンを検討していたり、あるいはすでに大きな選択をした後だったりするかもしれません。

転職も移住も、簡単ではありませんでした。不安なこともありました。「本当にこれで良かったのか」と悩んだこともあります。それでも、自分が一番大切にしたいことを考え続けたことで、迷わず前に進むことができました。

家族と一緒に過ごす時間、子どもの成長を見守ること、どんな場所で暮らしていきたいか。それらを考えた結果、私は今の選択に決めました。

人によって選択肢も違うでしょう。正解も違うでしょう。私と同じように「家族との時間を大切にしたい」と考えて、市役所転職やUIターンを悩んでいる人もいると思います。


この記事では、転職と移住を同時に決断した理由・準備中に起きた失敗・移住後の苦労と今の幸せをお伝えしました。

もし、今も悩みながら、真剣に選択肢と向き合いながらこの記事を読んでいるなら、「自分は何を大切にしたいのか」をゆっくりと考えてみてほしいです。その答えが見付かれば、きっと次へ進むことができます。私も応援しています。

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